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社長インタビュー 2009年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2009 j05

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(1)

Q. 世界的な景気後退が 2008 年度および 2009 年度の業績に及ぼす影

響についてお聞かせください。また、端末販売台数の減少には、景

気動向が影響しているのでしょうか?

A. 景気後退は、法人向けビジネスには影響があると思っていますが、

連結業績への影響は小さいと見ています。

 一般的に、当社のような電気通信事業は、比較的景気の影響を受けにくい業 種と言われています。事実、景気後退が顕在化した2008年度下期に関しても、 業績動向を見る限り、深刻な打撃は受けていないと捉えています。2009年度 に入ってからは、移動通信の法人向け市場において、新規の引き合いが少なく なるなど一部影響が出てきていますが、当社業績に及ぼす影響は限定的と見て います。

 コンシューマ向けの端末販売台数が対前年度比で大幅に減少したことについ ては、単純に景気の影響と見ることは難しいと思っています。むしろ、2007年度 から導入された通信料・端末価格分離プランの浸透による影響が大きく、また、 お客様が1台の端末を大事に使おうということもあり、2007年度まで2年前後で あった端末の平均保有期間が、2008年度には約3年にまで長期化しています。  従って、当社としては、端末需要の減少、流動性の低下を克服する競争優位性 の確立と、市場の活性化に向けた行動が大切であると思っています。

Q. 2008 年度の業績を振り返って、移動通信事業においては、相対的に

他社との競争力が低下しているように感じられますが、どのような

認識かお聞かせください。

A. 8 期連続の増益となりましたが、増益の内容を見ると、当社の課題が

明確になった 1 年であると思っています。

 2008年度の業績は、連結営業収益が3兆4,975億円(前年度比2.7%減)、営 業利益は4,432億円(前年度比10.7%増)の減収増益となりましたが、増益要因 については、全てが良い意味での増益とはなっていないと認識しています。今 2008年度の市場環境や業績評

価、中期的な成長戦略、今後の 方向性についてお答えします。

1. 市場環境 2. 前年度業績評価 3. 中期的成長戦略 4. 業績見通し 5. 設備投資

6. 株主還元および資本政策

0 2,000 4,000 6,000

(億円)

05 04 03

02 06 07 08

1,023 1,407

2,921 2,962

2,966 3,447

4,005 4,432

09

連結営業利益の推移

331日に終了した各年度)

1. 市場環境

2. 前年度業績評価

マネジメントメッセージ

社長インタビュー

(2)

たソフトウェア領域の共通プラットフォーム「KDDI統合プラットフォーム(KCP+)」 の完成が遅れ、機能や性能面で十分な端末をタイムリーに発売できなかったこと が主な要因です。しかし、2008年度から商品力の回復を最優先課題として取り 組んできた結果、2009年春モデル以降の端末については、性能・パフォーマン ス面で課題を克服しており、商品力は確実に回復してきていると考えています。 また、これまで当社がお客様から評価されていた「先進性」などの当社の優位性 について、2008年度はお客様に十分アピールが出来なかったのではないかと 考えています。この点を踏まえ、2009年度には携帯電話の新ブランド「iida」の 発表など、当社の総合力や先進性を積極的に訴求し、お客様に対するイメージ アップに取り組んでいます。

Q. 中期目標「チャレンジ 2010 」における営業収益および営業利益目標

を取り下げられましたが、その背景について教えてください。また、

新たな目標設定については、どのようにお考えでしょうか?

A. 2010 年度の連結営業収益 4 兆円、連結営業利益 6,000 億円の目標は

取り下げましたが、固定通信事業の黒字化には責任を持って取り組

んでいきます。

 2008年度において、移動通信事業は前年度比減収となりましたが、中期目標 策定時には、この落ち込みは全く想定していませんでした。この背景には、行政 当局が打ち出した通信料と端末価格の分離プランを、通信各社が導入した影響が あります。従来のビジネスモデルであれば増収は十分可能であると見ていまし たが、この影響により、2010年度のターゲットであった連結営業収益4兆円、連 結営業利益6,000億円の達成は極めて困難であると判断しました。

 ただし、2010年度の固定通信事業の黒字化については、責任を持って取り組 んでいきます。黒字化にあたっては、具体的には、2つの大きな要素があると 思っています。ひとつ目は、FTTHの契約者を拡大し、売上を増加させることに よってFTTHの赤字幅を縮小させます。ふたつ目は、コスト削減です。過去の合

3. 中期的成長戦略

(3)

併の影響もあり、重複運用しているネットワークインフラの整理などを通じて、 運用・保守を含むインフラコストの削減を進めます。基本的に、FTTH事業以外は 黒字化しており、FTTH事業の採算向上とインフラコストの削減により、固定通信 事業全体で黒字化することは十分に可能だと考えています。

 また、新たな目標設定については、当社が発足10周年を迎える2010年10月に向 けて、現在社内で中長期的な事業の方向性や経営計画を検討しています。どのよう な形になるか現時点では未定ですが、皆様にもお伝えしたいと考えています。

Q. 今後の持続的成長を実現する、中長期的な成長戦略について教えて

ください。

A. 固定通信の黒字化に加え、新規ビジネスの推進、コンテンツビジネス

の強化、海外事業展開など新たな価値創造が重要だと考えています。

 中長期的に考えますと、これまで成長を牽引してきた電気通信事業の収益に 頼るだけではなく、通信以外の収益を伸ばしていかなければならないと考えて います。具体的には、UQコミュニケーションズやじぶん銀行、さらには電気通信 の周辺事業領域における全く新たなビジネスへの取り組み強化や、既存ビジネス の中で成長率が高いコンテンツビジネス、さらに海外におけるSI事業やデータセ ンター事業などの拡大を推進していきます。

Q. 今後、 KDDI が目指していく方向性とはどのようなものでしょうか?

A. 来るべき「アンビエント社会」において、利用シーンを創造すべく、

新しい価値・スタイルの提案を通じてビジネスチャンスを創出してい

きます。

 「アンビエント」とは、普段あまり聞くことのない言葉かもしれませんが、「周 辺の、取り巻く」という、環境を意識した意味を持っています。ユビキタス社会が、

「いつでも、どこでも、誰でも」、お客さま自身がネットワークに接続する環境を 作り上げる社会であるのに対して、その先にあるアンビエント社会とは、「今だ け、ここだけ、あなただけ」のサービスをユビキタスネットワーク上で実現するも のであり、お客様の活動を支援し、安全・安心・快適で、環境にやさしい社会とい うことになります。アンビエント社会において、通信事業者に求められるのは、そ れぞれのお客様に合った「利用シーンを創造」していくことだと考えます。当社 はこれまでも、まさに利用シーンの創造を通じて、新しい価値やライフスタイル

マネジメントメッセージ

社長インタビュー

(4)

Q. 日本の携帯電話の累計契約数が 1 億台を超え、社会的影響が大きく

なる中、携帯電話の安全な利用促進や環境対策への対応についてお

聞かせください。

A. お客様への啓発活動、リサイクルをはじめとした環境活動など、積極

的に取り組んでいます。

 携帯電話の普及に伴い、未成年者による有害サイトへのアクセスなど、当初想 定していなかった使われ方も目に付くようになりました。これは携帯電話の有用 性の裏側にある負の部分ですが、私は正しい使い方や何が問題になるかという ことを、お客様にしっかりとご理解いただくことが一番大事なことだと思ってい ます。そのため当社では、携帯電話教室の開催などを通じた啓発活動に取り組ん でおり、2009年度はさらに開催回数を増やしていきます。また、携帯電話経由 でのインターネットサイトへのアクセスについても、フィルタリングサービスを通 じ、青少年の方に対して安全・安心な環境を提供しています。今後は、サイト制作 者側との情報共有などを通じ、さらなる環境整備に努めてまいります。  当社は、環境対応についても積極的に取り組んでおり、他社を含む使用済み携 帯電話端末を回収し、リサイクルを行っています。またリサイクル時における携 帯電話の分解作業は、障がい者の方々の雇用促進を目的に設立した「KDDIチャ レンジド」にて行っています。さらにモバイルコンテンツの提供を通じて、2008 年11月から開始した「au Smart Sports 屋久島Walk」や2009年2月から開始し た「Green Road Project」など、お客様参加型の環境保全活動キャンペーンを 積極的に実施しています。

1995 2000 2005 2010

業務の効率化 情報共有 情報コスト低下 いつでもどこでも

情報受発信 安全 安心 快適 環境

アンビエント社会

(ユビキタス基盤上で進化・成熟) ユビキタス社会

2004 u-Japan構想発表)

WEB

IPv6 RF-ID

センサーネット

コンピューティングモバイル インターネット社会

2001 e-Japan戦略策定)

ICT

(日立総研作成資料を基にKDDI総研作成)

(5)

Q. 2009 年度の業績見通しおよびその前提について、他社との競争力

比較をふまえて教えてください。

A. 商品力の強化も十分進んでおり、 9 期連続の営業増益を見込んでい

ます。

 2009年度は、営業収益3兆4,800億円(当年度比0.5%減)、営業利益4,700 億円(当年度比6.0%増)、当期純利益2,550億円(当年度比14.5%増)を見込ん でいます(事業別内訳や前提条件などは、事業概況一覧の25ページをご参照く ださい)。

 事業環境の変化に迅速に対応しながら、持続的な成長に向けて、事業基盤の強 化を図るとともに、グループのさらなる発展に向けた取り組みを加速します。そ して、あらゆるサービスにおけるお客様満足度No.1を目指し、「新たな価値創 造」にチャレンジしていきます。新しいことに積極的にチャレンジしていくことを 通じて、社内に活気が溢れると同時に、社外に対してもKDDIの元気なイメージ をお伝えしていきたいと思っています。

Q. 2007 年度、 2008 年度と設備投資は増加しましたが、今後はどのよ

うに推移していくのでしょうか?

A. 設備投資は、 2008 年度でピークアウトしたと考えています。

 現在、当社がメインで使用している800MHz帯の周波数が、政府の方針により 2012年7月までに新たな周波数帯に再編されることに伴う設備投資が発生して いるため、移動通信事業の設備投資が高水準となっています。しかし、設備投資 は2008年度でピークアウトしたと見ており、2009年度は連結ベースで前年度比 6.1%減の5,400億円を見込んでいます。800MHz帯の周波数再編に係わる設 備投資も、2011年度には全て終了する予定であり、今後は低減していくと考え ています。

 また、減価償却費については、設備投資のピークアウトが2008年度となるこ とから、2009年度もしくは2010年度がピークになると考えています。

0 2,000 4,000 6,000

06 07 08 09

2,751 3,289

3,917 4,321

3,970

10

(億円)

(予)

移動通信事業における設備投資の推移

営業収益 (億円)

2009 2010(予) 増減率(%

34,975 34,800 △0.5

営業利益 (億円)

2009 2010(予) 増減率(%

4,432 4,700 6.0 業績見通し(連結)

331日に終了した各年度)

800MHz帯 ■ 2GHz帯 ■その他

4. 業績見通し

5. 設備投資

マネジメントメッセージ

社長インタビュー

(6)

A. 5 年後には、配当性向 25% 30% を視野に入れて、着実に引き上げ

たいと考えています。

 当社は、2000年のDDI・KDD・IDOの3社合併当初は、有利子負債の削減が優 先経営課題であり、また移動通信事業を中心に成長性も高かったことから、配当 性向は20%以上を目標としていました。一方、近年は800MHz帯の周波数再編 もあり、設備投資が高水準となっていたことから配当性向は据え置いておりまし たが、着実な業績拡大に合わせて毎年度増配を実現してきました。

 2008年度は、証券化していた4ビルの買い戻しや移動通信事業における割賦 販売制度の導入による割賦債権の増加に伴い、フリー・キャッシュ・フローは632 億円の赤字になりました。そのため、配当については、前年度比500円増の年 間11,000円、連結配当性向は22.0%となりました。

 当社は、株主還元策としては、配当を中心に考えておりますが、現状の配当性 向水準については、必ずしも十分であるとは認識しておりません。固定通信事 業の採算改善もあり、2009年度もしくは2010年度にはフリー・キャッシュ・フ ロー の水準も安定し、配当性向を見直す素地ができると見ています。5年後に は、配当性向25%∼30%を視野に入れて、着実に引き上げたいと考えています。

1株当たり配当金/配当性向

0 3,000 9,000

6,000 12,000

05 06 07 08

6,900 8,000

9,500

10,500 11,000

09

(円)

0 15.0 30.0 45.0 60.0

%

21.2 20.8 22.4 21.5 22.0

331日に終了した各年度)

1株当たり配当金 配当性向

参照

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